狙われたピエロ3

3.ピエロのカンナ
宇宙警察機構に所属している私にも僅かながら休息の日もある。
そんな日は、列車に乗ってショートトリップを楽しむのが日課だ。
列車であれば、慣れない言葉を喋ることも少なく気楽さ。
ある日、面白い場面に出会った。
列車の座席に腰をかけていると、ある女性に声をかけられた。
「あなた、そこのお年寄りに席を譲ってあげてくれませんか?」
私は、目の前のお年寄りに気が付かず、うんうんとうなずき席を譲った。
なんて、ハキハキした女性だろう。若いのにしっかりしている。
そんなことを思っていると。
「向こうに席が空きましたよ!さっきはごめんね。」と。
私は、覚えたてのお礼の言葉を言ったが、
恥ずかしながら彼女に振り回されっぱなしだった。
何日かが過ぎ、また彼女と出会うことになる。
町の中心にある公園を散歩していたときである。
噴水の前で妙な格好をした人を発見。この星の言葉でピエロと言うようで、
気さくに「チャオ!」と挨拶をしている。よく顔をみると列車の女性だった。
周りには子供達が集まり、風船をプレゼントしていた。
何故かとても気持ちが良かった。
ガルとの共同研究も随分進み、私は彼の家に招待された。
ここで三度目の出会い。そこには、なんと先日のピエロが。
彼女はカンナ、ガルとは遠い親戚らしく、早く両親を無くした彼女の身元を引き受けた。
偶然の出会いに驚き気味のガルは私を遠い国から来た留学生と紹介してくれた。
そんな縁もあり、私は、彼女と親しくなり、言葉もよく教えてもらった。
おかげで会話にも慣れることができた。
なんだか不思議なもので彼女の周りでは時空の歪は感じられなかった。
そのことをガルに話すと、こう教えてくれた。
「カンナの近辺ではどんどん時空の歪が修正されている。
周りの人々の怒りや憎しみ欲望をどんどん吸収しているようだ。」
少々大げさかもしれないが、彼女はこの星でかけがいの無い存在のようだ。
私はそう思った。
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